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矯正歯科担当医 鳥越 剛(とりごえ ごう)
経歴
日本大学歯学部歯学科 卒業
日本大学大学院歯学研究科 修了(歯学博士)
日本大学歯学部付属歯科病院 歯科矯正学講座(歯科矯正科)にて勤務
都内歯科医院にて矯正医として勤務
資格
日本矯正歯科学会認定医
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ご出身はどちらですか?
九州の大分です。 大学に入る時に東京に出てきました。
歯医者さんになったキッカケは?
父が歯科医師でしたのでその背中を見て自分も!と思いました。 でも、特殊な治療がしたい!と思ったので矯正科を選びました。 矯正科には他の科と違って入局試験があり合格した人のみ入局できます。
入局試験があるのですか?ちなみにどんな内容ですか?
歯科医師として知識を問う問題と、矯正について書かれた英語の論文を訳すものです。
英語が得意じゃないとダメではないのですか?!
辞書の持ち込みはOKなので英語が苦手でも大丈夫です。 その他に面接や治療で使う針金を実際に曲げる実技試験があります。 曲げたりねじったり・・・時間内に曲げられるように練習をしていきます。
矯正科の試験ならではですね。医局ってよく聞きますが、何なのですか?
医局とは様々な診療科の講座の組織とイメージしてもらうと分かり易いかと思います。 矯正学講座(矯正科)の医局、歯周病学講座(歯周病科)の医局といったような感じです。 研修医の後、自分が行きたい科に配属されるイメージです。 矯正は人気があるので試験があり、医局に入局できる人数が限られていて結構狭き門です。
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今矯正って、マウスピース矯正(※)が流行っていますが、矯正の方法として従来のワイヤーかマウスピースか悩んでいる方が多いと思います。 先生は、マウスピース矯正(※)に対してどのようなスタンスですか? (※:マウスピース型カスタムメイド矯正装置/完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外になることがあります。以下同様)
基本的には、矯正の際に歯を抜く必要がある歯列不正(しれつふせい:歯並びが悪い状態)の方にはあまりお勧めはしません。 軽度の歯列不正や一度矯正した後の後戻りをしてしまった方などは、マウスピース矯正(※)でOKです。 その他には、ワイヤーの装置だと、仕事上の制約がある方もいますので・・・。
仕事で制約がある・・・どんな職種ですか?
芸能の方とか、受付の方などといった人前に出る仕事の方だと、ワイヤー矯正は難しい場合があります。 そうなると、歯の裏側に装置を付ける舌側(ぜっそく)矯正かマウスピース矯正(※)で治療を行うことがおススメですね。 あと、金属アレルギーがある方もマウスピース矯正(※)がおススメですね。
矯正に使うワイヤーやブラケット(ワイヤーをとめる金具)でも白いものがありますよね?あれは金属じゃないように見えるのですが。
白いワイヤーは金属にコーティングがしてあったり、プラスチックのブラケットもワイヤーを置く溝は金属だったりします。 アレルギーが出る金属の種類も様々ですので、よく相談してから治療方法は決めます。
マウスピース矯正(※)だけでなく、ワイヤーも併用する矯正があると聞いたのですが。
違う装置を挟んで(動きづらいところはワイヤーで補助して)ガタガタをほどいてからやりましょう、というパターンもあります。 どちらの装置を使うか?また両方使うかなどのそのあたりのサジ加減は、矯正を専門に治療している先生だと判断が行いやすいですね。
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矯正を専門にしている先生なら、ワイヤーとマウスピースと両刀使いも可能なのですね!ちなみに、大学で矯正を専門に勉強した時はどの様な研究をしていましたか?
骨の素になる骨芽細胞(こつがさいぼう)に関する研究です。 そもそも矯正をすることでなぜ歯が動くのかというと、歯に適切な矯正力をかけることで、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ:歯を支えている骨)を壊して、作るという繰り返しをすることで歯が動いていきます。 骨芽細胞は、骨を作る側の細胞で、その働きについて研究を行い、論文をまとめました。 矯正装置で歯に力を掛けるのと同時に低出力の超音波を当てることで、歯の移動がはやく起こることが今までの研究から分かっており、超音波を当てるだけでなく、さらに薬剤もいれるともっと歯の移動が早くなるのではないかという研究でした。
ほほ~~そうなんですか!!難しい研究をされているんですね! では、実際の診療の際に心掛けている事はありますか?
歯の矯正を始めるにあたって、治療内容に納得していただいてから治療をスタートしています。 私がおススメする治療と患者さんのニーズの違い・・・例えば「イヤちょっと前歯を並べるだけでいいんです」というパターンもあります。 押し付けてもダメなので、ちゃんと伝わっているか?を確かめながら、話を丁寧にすることを心掛けています。
子供の矯正は、どうですか?
お子さんの矯正は「自分が出来なかったから、子供には歯の矯正をしてあげたい」と考える親御さんが結構いますね。 「友達のあの子もやっているよ」とお子さんが話しているパターンもだいぶ多くなりました。 男性でもビジネス的に有利になるように歯並びをキレイにしたい方、特に営業職だと笑顔の印象がかなり変わると仕事の成果も変わってくるので矯正治療したいという方もいます。
矯正治療を受ける大人と子供の比率は?
当院は7割方子供の矯正です。
お子さんと親御さんの意識の差に関してはどうですか?
お父さんお母さんの協力が必要で、一緒にやっていきましょうという説明をします。 親子二人三脚で、且つ歯科医師とスタッフ達が伴走しますというスタンスです。 マラソンで例えるなら、親御さんとお子さんが選手で、私は監督のような感じでしょうか。(笑)
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なるほど!矯正の方法はどうやって決めるのですか?
どの方法で矯正するかは「セファロ」という矯正治療には必要不可欠なレントゲンで診査してから決めます。 床矯正(しょうきょうせい)も使いますし、帽子タイプのも使います。 セファロは当院には置いていないので、日本大学歯学部付属歯科病院で撮影をすることをお願いしています。 当院からはそんなに遠くないですね。 今日も行ってきました、母校なので。(笑) 横顔のセファロのレントゲンの写真は矯正治療では必須項目ではないですが、当院では正確な診査・診断を行うために撮影をお願いしています。 特にワイヤーの矯正の場合、絶対必要です。 場合によってはマウスピース矯正の方でもお願いすることもあります。
セファロで横顔のレントゲン写真を撮るのは、矯正歯科ではマストなんですね。
通常は、マストですね。
どのように矯正相談すればいのでしょうか?
矯正の日に相談予約を入れていただいて、お話を聞いて歯並びを診ます。 相談してもらわないと始まらないので、細かいことでもお気軽にご相談ください。
初回の相談は無料ですか?
当院に通院されている方は、初回の相談は無料となっていますので、ご安心ください。 通院されていない方は、一度スタッフまでお問い合わせください。 細かい診査・診断はセファロの撮影後となりますので別途料金が掛かりますが、パッと見ておおよその事は分かります。 例えば、「(アゴを)拡げる器具を使うよ」とか「最後に並べるのに針金を使うよ」とか、大人だったら「このガタガタなら多分歯を抜くことになりそうです」とかおおよそのところは分かります。
無料の相談でも、おおよそのところは分かるんですね!
逆に、今の時点で治療は必要なくて様子を見てもいいですよ、というパターンもあります。
その道のプロに任せるべきですね。大人で矯正される方はいますか?
もちろんいますよ。 「子供が矯正をやって歯並びがキレイになったから私もやりたい!」という40~50代のお母さんや60代の方もいます。
矯正をするメリットとして歯並びがよくなるというものがありますが、その他の知っておくべきメリットはありますか?
1つ目は、「ちゃんと噛めるようになる」ことです。 歯並びが悪いとちゃんと当たってない、噛み切れないなどといったことが起こることがあります。
2つ目は、「歯が長持ちする」ことです。 歯並びが改善されて歯ブラシがしやすくなり、自分でのメンテナンスが格段にしやすくなります。 たとえ虫歯や歯周病で歯の本数が減ったとしても、管理がしやすいのでダメージが進みにくくなります。 悪くなったら治療をしようと考えて、治療を何回も繰り返していると、最終的には治療代の方が矯正代よりも高くなるなんてこともあります。
歯の矯正は、実はそんなに高くない?
値段だけ見ると「え?!」ってなりますが…歯に対しての意識は、日本は悪くなってからお金をかけることが多いですが、欧米は予防することへの意識が高いので、予防にお金をかけてきます。 欧米は、矯正の器具が付いている方がオシャレだしステータスが高いという意識ですね。
「悪くなってから治療する」のではなく、「悪くならないために矯正をする」。
はい、予防処置としての歯の矯正です。 同じお金を使うのにしても、治療に使うのか?予防(矯正)に使うのか?ということです。 予防への意識が高まり矯正を行うことで、歯並びはキレイになり、手入れもし易い。 また、おじいちゃんおばあちゃんになっても自分の歯でご飯が食べられ、例え歯が抜けて入れ歯やインプラントになったとしても、管理しやすい歯並びだということ・・・予防を意識する?しない?のどちらが良いかよく考えてみよう、ということですね。
納得です。マイブームを教えてください。
子供が小さいので、休みの日は子供と遊びます!1歳半の女の子です。 前は、ゴルフをやっていましたね、でも腰痛があるので・・・歯科医師の腰痛は職業病です。(笑)
患者さんにメッセージをお願いします。
矯正治療には値段(ねだん)以上の価値(かち)があるので、ぜひお気軽に相談だけでもしてください。
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インタビュー:2022/3/31